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相続税について

相続税とは、相続または遺贈により、相続人または受遺者に移転した財産に課税される税金です。 相続税が課税される財産には、金銭、不動産などの本来の相続財産のほか政策上、課税対象とされる生命保険金等のみなし相続財産があります。

課税価格は、遺産分割等によってそれぞれの相続人が取得した財産の価額をもとに計算されます。 遺産分割未了の場合は、民法の法定相続分にしたがって各人が遺産を取得したものとして計算します。

相続税の計算

  1. まずは各人の相続財産の合計額から債務・葬式費用を控除した正味の相続財産を計算
  2. 正味の相続財産から基礎控除額(5000万円+1000万円×法定相続人の数)を控除し、課税価格の総額を計算します。 基礎控除をしてマイナスであれば相続税は発生しません。
  3. 課税価格の総額を各人が法定相続分で相続したものとして各人の法定取得財産を出し、それに税率をかけます。 さらにその各人の仮の相続税額を合計して相続税額の総額を求めます。
  4. 相続税額の総額を、各人が実際に相続した課税価格の割合に応じて按分し、各相続人の相続税額を求めます。
  5. 各人の相続税額から配偶者に対する税額軽減などを控除し、各相続人の納付金額を確定します。
  6. 相続の開始があったことを知ったときから10か月以内に、所轄の税務署に相続税の申告書を提出します。 納税期限までの金銭納付が原則ですが、延納や物納の制度もあります。

※基礎控除額は2010年12月現在

遺言による孫への遺贈は相続税が高くなる

故人の遺言によって財産が贈られる遺贈は、それを受けとる受遺者が故人の配偶者か子供か父母以外の場合、 相続税が20%多く課税されます。相続は通常、親から子、子からその子へという順で行われ、その都度相続税が課税されるものです。 このため孫への遺贈は相続税を一回免れたことになってしまいます。この一代飛ばしを規制する措置として20%加算の制度が設けられています。

相続にあたって、財産の評価について

相続税の申告は時価ではなく、相続税法や国税庁の通達に従った評価額、すなわち相続税評価額をもとに行います。 相続税の申告で最も厄介なのはこの相続税評価額の計算であり、これには相当の専門知識が要求されます。 つまりは専門家の力を借りる必要性が高くなります。 財産評価のについて主なものを以下にご紹介いたします。

土地の評価方法

1. 路線価方式
主に市街地的形態を形成する地域で採用される方式です。毎年、各国税局が作成する路線価図に基づいて土地を評価します。

【 路線価 × 補正率・加算率 × 地積 】

※土地の間口、奥行き、地形等で利用しにくい土地は一定の方法により評価額が低くなります。 逆に、二つの路線に面している角地などは、土地の利用価値が高くなるため評価額も高くなります。
2. 倍率方式
都市郊外等、路線価が定められていない地域で採用される方式です。地域ごとに定められている倍率表に基づいて土地を評価します。

【 固定資産税評価額×倍率 】
3. 借地の評価
【 路線価方式 】または【 倍率方式の評価額×借地権割合 】
4. 貸地の評価
【 路線価方式 】または【 倍率方式の評価額×(1-借地権割合) 】
5. 土地所有者の貸家が建っている土地の評価(貸家建付地)
【 路線価方式 】または【 倍率方式の評価額×(1-借地権割合×30%) 】
6. 建物の評価方法
1.自用家屋 : 固定資産税評価額×1.0
2.貸家    : 自用家屋の価額×(1-30%)

上場株式の評価

次のうち、最も低い金額で評価します。

  1. 相続開始の日の最終価格
  2. 相続開始の月の最終価格の月平均額
  3. その前月の最終価格の月平均額
  4. その前々月の最終価格の月平均額

生命保険金の評価

受取金額-非課税枠(500万円×法定相続人の数)

退職手当金の評価

受給金額-非課税枠(500万円×法定相続人の数)

※弔慰金の非課税枠
業務上の死亡の場合   死亡時の普通給与の3年分相当額
業務上以外の死亡の場合 死亡時の普通給与の6ヵ月分相当額

生命保険契約に関する権利

保険事故が発生していないものについては解約返戻金相当額

その他の評価

1. 預貯金
元金+解約利子の手取額
2. 利付公社債
発行価額(上場されている物は、最終価格と平均値の低い方)+既経過利子の手取額
3. 割引公社債
課税時期の最終価格(上場公社債) もしくは、「発行価額+既経過償還差益の額」
(その他)
4. 貸付信託
元金+既経過収益の手取額-買取割引料
5. 証券投資信託
上場されているものは3の上場株式の評価に準じ、それ以外は解約請求金額
6. ゴルフ会員権
取引相場×0.7
7. 書画・骨董品
専門家による鑑定価額